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読 み

意 味

収録映像より  (画像をクリック→拡大)

1

揚幕

あげまく

橋掛りの奥、鏡の間との境にある幕。これを揚げて役者が登・退場する。

2

後座

あとざ

本舞台後方、横板を張る部分。囃子方・後見などがすわる。

 

3

井筒

いづつ

能の曲名。旅の僧が在原寺の廃墟で聞く、業平と紀有常の娘との永遠の恋物語。作・世阿弥。典拠・伊勢物語。

4

うたい

能・狂言の声楽のこと。能の場合は台本すべてが謡で歌われる。

 

5

謡本

うたいぼん

謡を謡うための楽譜。

 

6

老松

おいまつ

鏡板に描かれた松。

7

大鼓

おおつづみ

砂時計型の胴を2枚の革ではさんだ鼓。全長約28センチメートル。左脇下に抱え、指皮と当てをした右手で打つ。

8

おもて

能を演じる役者が、役柄に従ってつける仮面。能面ともいう。通常、シテだけが用い、現実に生きる男性の役柄を演じるワキは用いない。基本種に60種類ほどあるといわれる。檜材を用いることが多い。面の制作のことを「面を打つ」という。面は「かける」「つける」といい、「かぶる」とはいわない。なお、狂言方が用いるものを狂言面という。
(能面の名称) 左上・逆髪  左下・白般若  右上・悪尉  右下・十六中将

9

鏡板

かがみいた

舞台正面奥にある羽目板。老松が描かれている。

10

鏡の間

かがみのま

揚幕の奥にある神聖な空間。役者はここで能面をかけ、舞台に臨む。

 

11

唐織

からおり

織の技法によって文様を描き出した小袖。能装束の中で最も豪華なものである。

12

切戸口

きりどぐち

本舞台右奥の小さな引き戸。地謡や後見の出入りに用いるほか、時に役者が目立たぬように退場する際などに用いる場合がある。

13

黒川能

くろかわのう

山形県東田川郡櫛引町黒川の春日神社に奉納される能・狂言。土地
の人たちが生活と密着させた形で続けている。

14 黒塚 くろづか

能の曲名。陸奥の安達原で宿を借りる山伏一行が、宿の老女が鬼女であることを知る。正体を知られた鬼女は怒りをあらわにするが、山伏一行は法力をもつ鬼女と争い、祈り伏せる。簡素な舞台装置である作り物が効果的に用いられる。シテ方観世流では「安達原(あだちがはら)」という。

15

後見

こうけん

舞台が滞りなく進行するよう見守る役。

 

16

小鼓

こつづみ

砂時計型の胴を2枚の革ではさんだ鼓。全長約25センチメートル。右肩に乗せて右手で下から打ち上げる。

17

地謡

じうたい

舞台右手に8人ほど並ぶ、能の斉唱団。シテ方が担当する。情景描写や登場人物の心情などを謡う。狂言にも地謡が出ることがあるが、その場合は狂言方が担当する。

18

地謡座

じうたいざ

本舞台の右側に張り出した空間で、地謡が8人ほど座る。ただし狂言の場合、地謡は地謡座ではなく後座に座る。

 

19

シテ

して

主役(主人公)のこと。能ではシテ方、狂言では狂言方が担当する。

 

20

シテ方

してかた

観世、宝生、金春、金剛、喜多の五流の役者のこと。これらの流派から主役を演じるシテや地謡、後見などがでる。

 

21

装束

しょうぞく

能・狂言における舞台衣装のこと。公家の装いなどを装束というのに倣って、ある種の格式を能・狂言の衣装に見る意識の表れから、装束という言葉を用いられたといわれる。

22

世阿弥

ぜあみ

生没年は1363?〜1443?。室町初期の能役者・能作者・座の運営者・能の理論家。従来の能に歌舞の要素を加えて幽玄美をめざす能を完成に導き、多くの傑作を残した。「花伝」をはじめとする能理論も著した。

23

太鼓

たいこ

桶型の胴を2枚の革ではさんだ鼓。台に載せて2本の撥で打つ。

24

薪能

たきぎのう

本来は神事の芸能であったが、現在では篝火を照明に使って野外などで催す能のことを意味する。

25

ツレ

つれ

シテやワキに連れ立つ役のこと。

 

26

能楽

のうがく

能と狂言の総称。

 

27

能楽堂

のうがくどう

能を演じる劇場。屋根の付いた能舞台を室内に入れた様式の建築が多い。

28

能舞台

のうぶたい 

能・狂言を演じる舞台。本舞台と橋掛からなる。

29

橋掛

はしがかり

本舞台奥から向って左手に延びる廊下のような空間で、鏡の間に通じている。

30

囃子方

はやしかた

笛・小鼓・大鼓・太鼓の演奏者。

31

囃子事

はやしごと

謡の伴わない囃子だけの演奏部分。

 

32

ふえ

「能管(のうかん)」とも呼ばれ、能で唯一奏される旋律楽器。

33

風姿花伝

ふうしかでん 

世阿弥が著した能楽論で7部からなる。最初の3部は1400年に記された。稽古論・演出論・歴史など多岐にわたる内容を持つ。正式には「花伝」といわれる。

 

34

本舞台

ほんぶたい

三間(約6m)四方の正方形の檜の舞台。4本の柱に囲まれている。

35

舞事

まいごと

囃子事の一種で、抽象的な型による舞踊部分。

 

36

夢幻能

むげんのう

全ては夢幻(ゆめまぼろし)であったとする、時空を超えた構成の能。

 

37

目付柱

めつけばしら

本舞台の左前の柱。面をつけた役者が位置確認の目当てにする。
→「34.本舞台」写真参照。左前柱が目付柱。

 

38

謡曲

ようきょく

能の歌詞とその音楽。

 

39

ワキ

わき

脇役のこと(シテの相手役)。ワキ方が務める。面は用いない。

 

40

ワキ方

わきかた

脇役を演じる福王、高安、宝生の三流派の役者のこと。

 



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